共同養育ガイド|養育費

養育費の相場はいくら?
― 算定表の見方と、受け取り続けるための工夫

養育費の相場は、家庭裁判所の「養育費算定表」(令和元年版)を目安に、支払う側と受け取る側それぞれの年収、子どもの人数と年齢から標準額のあたりがつきます。ただし、実際に養育費を受け取れている母子世帯は28.1%という調査結果もあります。この記事では、算定表の見方と、取り決めを書面や記録に残して「受け取り続ける」ための工夫を、公的資料をもとに整理します。

養育費の相場はどうやって決まる?

養育費の相場は、家庭裁判所の「養育費算定表」を目安に、支払う側と受け取る側それぞれの年収、子どもの人数と年齢から決まります。

現在は、令和元年版(2019年12月23日公表)の養育費算定表が標準として使われています。父母の合意があればこれ以外の額でもかまいませんが、話し合いや家庭裁判所の手続きでは、この算定表が基準になります。「一律で月◯万円」という決まった相場があるわけではなく、当事者の年収と、子どもの人数・年齢という条件によって変わるのが特徴です(出典:裁判所「養育費・婚姻費用の算定に関する実証的研究/養育費算定表」)。

養育費算定表の見方

算定表は、縦軸が支払う側(義務者)の年収、横軸が受け取る側(権利者)の年収で、その交点が養育費の標準額の目安になります。

子どもの人数と年齢によって使う表が分かれているため、まず自分のケースに合う表を選び、そのうえで縦軸・横軸の年収から交点を読み取ります。

見るところ意味・注意点
縦軸養育費を支払う側(義務者)の年収
横軸養育費を受け取る側(権利者)の年収
縦軸と横軸の交点その条件での養育費の標準額の目安
前提となる年収税金や社会保険料を引く前の総収入(額面)。手取りではありません
表の種類子どもの人数(3人まで)と年齢の区分ごとに、複数の表が用意されています

具体的な金額はケースによって大きく変わるため、この記事では個別の金額は示しません。実際の目安は、裁判所が公表している養育費算定表や、それをもとにした自動計算ツールに、ご自身の年収や子どもの人数・年齢を当てはめて確認してください。

ポイントは「額面」と「自分のケース」:算定表の年収は手取りではなく額面(税引き前の総収入)です。また、同じ年収でも子どもの人数・年齢で金額は変わります。一般的な相場を眺めるより、算定表・自動計算ツールに自分の条件を入れて確認するほうが確実です。

実際に受け取れているのは28.1%という現実

相場の目安がわかっても、養育費を現在も受け取れている母子世帯は28.1%にとどまります(令和3年度 全国ひとり親世帯等調査)。

算定表で適正額の目安はわかりますが、取り決めをしていない、あるいは取り決めても支払いが続かないといった理由で、実際には受け取れていない家庭が少なくありません(出典:厚生労働省「全国ひとり親世帯等調査」)。だからこそ、金額を決めて終わりにせず、取り決めを文書に残し、支払いを記録しておくことが、あとで受け取り続けるための備えになります。

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養育費を受け取り続けるための工夫

受け取り続けるための備えは、取り決めを書面(できれば公正証書)に残し、支払いを記録して見える化しておくことです。2026年4月施行の改正民法で新しくできた仕組みも、あわせて知っておくと役立ちます。

共同養育アプリ「はぐみぃ」は、養育費の支払い済み・未払いをアプリの中で記録して見える化し、面会予定とあわせて、電話番号やLINEを交換せずにふたりで共有できるように作られています。相手とのやり取りの負担を抑えながら記録を残す、一つの方法として使えます。

※この記事は、裁判所・こども家庭庁・厚生労働省などの公的資料をもとにした一般的な解説です。個別の事情に応じた判断は、家庭裁判所・法テラス・弁護士などの専門の窓口にご相談ください。

よくある質問

養育費の相場はどう調べる?

家庭裁判所の養育費算定表(令和元年版)が標準の目安です。支払う側と受け取る側それぞれの年収、子どもの人数と年齢を当てはめて標準額を確認します。算定表や、それをもとにした自動計算ツールに条件を入れて調べられます。金額は家庭ごとの条件で変わるため、一律の相場ではありません。

算定表の年収は手取り?額面?

額面です。算定表が前提とする年収は、税金や社会保険料を引く前の総収入で、手取りではありません。給与所得者の場合は源泉徴収票の支払金額などが目安になります。

取り決めは公正証書がよい?

文書で養育費を取り決めておくと、養育費に「先取特権」という優先権が認められ、その文書をもって相手の財産の差押えを申し立てられます。とくに公正証書にしておくと、不払いのときに手続きへ進みやすくなります。口約束ではなく記録に残すことが、受け取り続けるための備えになります。

養育費をもらえていない場合は?

文書での取り決めがあれば、先取特権により相手の財産の差押えを申し立てられます。家庭裁判所には履行勧告・履行命令などの手続きもあります。まだ取り決めていない場合は取り決めをすること、2026年4月からは取り決めまでの間の法定養育費(子ども1人あたり月額2万円)を請求できます。

2026年の法定養育費とは?

2026年4月1日施行の改正民法で新設された制度です。離婚時に取り決めがなくても、取り決めるまでの間、子どもと暮らす親が他方の親へ、子ども1人あたり月額2万円を請求できます。暫定的・補充的なもので、最終的には収入などを踏まえた適正な額を取り決めることが重要です。

出典:裁判所「平成30年度司法研究(養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究)/養育費算定表」(courts.go.jp)/厚生労働省「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査」(mhlw.go.jp)/こども家庭庁「民法等の一部を改正する法律について」(support-hitorioya.cfa.go.jp)。制度の詳細・最新情報は各公式情報および専門の窓口でご確認ください。

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