共同養育ガイド|親子交流

子どもの気持ちに配慮した面会交流(親子交流)の進め方
― 年代別の特徴と、当日の心がけ

面会交流(親子交流)で子どもの気持ちに配慮するときの要点は4つです。①まず自分自身の心の状態に目を向ける②子どもの年代ごとの受け止め方を知る③日程は子どもの予定を大切にし、笑顔で送り出して笑顔で迎える④父母のやり取りを子どもに伝言させない。裁判所が公開している資料をもとに整理します。

子どもの気持ちに配慮するには、まず何をすればいい?

裁判所の資料では、子どもへの接し方より先に「自分自身の心の状態を知る」ことが挙げられています。自分の状態がわかると、子どものことを冷静に考えられるようになる、という順番です。

この記事で参照するのは、裁判所が公開しているビデオ「子どもにとって望ましい話し合いとなるために」と、その内容をまとめた概要資料です。基本説明編・年代別説明編・親子交流編の3本立てで、父母が子どもに関する話し合いを行うときに心がけたいことが説明されています。

別居や離婚は、一般的に、人生の中で最もストレスの高い出来事の一つと言われています。
まずは、ちょっと立ち止まって、自分自身の心の状態に目を向けて見ましょう。
自分の心の状態がわかれば、少し気持ちが落ち着き、子どものことを冷静に考えられるようになるでしょう。 出典:裁判所「子どもにとって望ましい話し合いとなるために(概要)」基本説明編

面会交流の当日、表情や声のトーンに出てしまうものは、その日に急に整うものではありません。だからこそ、資料は子どもへの配慮の話に入る前に、親自身の状態を確認するところから始めています。

年代別に、子どもは父母の争いをどう受け止めている?

裁判所の資料には、0歳頃から中学生以上までの5つの年代について、発達の特徴が具体的に書かれています。年代によって、感じ取り方も、表れ方も違います。

次の表は、資料の「年代別説明編」に記載されている発達の特徴をそのまま引用したものです。子どもの様子をどう解釈するかは個々の事情によりますが、まずは公的資料に書かれている範囲を押さえておくと、思い込みで判断せずに済みます。

年代この年代の発達の特徴(裁判所の資料より引用)
0歳頃から
3歳頃
  • 親に世話をされて心地よくなったり、そばにいてもらって安心したりすることで、親との間できずなを育んでいます。
  • たとえ言葉で表現できなくても、親の表情や声のトーンなどから、親同士がけんかをしていることや、落ち込んでいたり、イライラしたりすることも感じとっています。
  • 気持ちが落ち着かないと、食欲が落ちたり、体調への影響があらわれることがあります。
4歳頃から
小学校入学頃
  • 親だけでなく、保育園や幼稚園などでの同年代の子どもとの触れ合いを通じて、ひとの気持ちを理解していきます。
  • 自分の視点で物事を捉える年代でもあり、自分の行動や気持ちと、周りで起こる出来事を結びつけて理解するという特徴があります。
  • 子どもによっては、不安な気持ちが体調に影響することもあります。
小学校
低学年頃
  • 父母が争っていることがわかるようになりますが、けんかの本当の理由や背景事情まではよくわかりません。親の板挟みになりやすく、自分のせいではないかと自分を責めてしまうこともあります。
  • よい子にしていると父母が仲直りするのではないかといった期待から、無理をしてしっかりしているようにふるまう子どももいます。
  • 学校生活や習い事などにやる気を持てなくなったりする子どももいます。
小学校
高学年頃
  • 別居や離婚の意味、その理由や背景事情など、多少理解できるようになります。父親の考えも母親の考えもわかる部分があり、その分、父母の間にはさまれて、心の中はとても複雑です。
  • 子どもによっては、そこから抜け出すために、どちらかの味方に付いて、一方の親に極端な嫌悪感を示すことがあります。
  • 自分なりの意見を言えたりもして、成長がうかがえますが、複雑な思いは言葉で表せなかったりする面も残っています。
中学生以上
  • 学校生活や部活動、友人関係など、家庭の外での活動を大切にして、親からの自立が進んでいきます。
  • 一方で、自分ひとりで対処することが難しい場面も少なくありません。そのような場面では、まだ親に頼りたいと思っています。

出典:裁判所「子どもにとって望ましい話し合いとなるために(概要)」年代別説明編

読むときの注意:ここに書かれているのは、資料が挙げている一般的な発達の特徴です。目の前の子どもに当てはまるかどうかは別の話で、この記事の記述から状態を判断することはできません。気がかりなことがあるときは、家庭裁判所や自治体の相談窓口など、専門の窓口にご相談ください。

面会交流の方法や頻度は、何を基準に決める?

裁判所の資料は、親子交流について話し合うときのポイントを4つ挙げています。安全、子どものスケジュール、子どもの視点、そして父母がお互いに配慮すること、の4つです。

  1. 親子交流は、子どもの心身や生活の安全が守られるものでなければいけません。子どもが、離れて暮らしている親と安心して会えることが何よりも大切です。
  2. 子どもの年齢や成長段階、健康状態、学校、課外活動、習い事などのスケジュールを十分に考えて、適切な方法や頻度を決めましょう。
  3. 子どもの気持ちや願いを知り、子どもの視点に立って、より望ましい親子交流の方法を考えていきましょう。
  4. 子どもを父母の争いに巻き込まず、円滑に親子交流を行うためには、父母がお互いに配慮し、協力する姿勢も必要です。

資料では、直接会う方法のほかに、ビデオ通話・電話・SNS・手紙などで連絡をとる方法も挙げられています。直接会う方法と比べると、親子で共有することのできる体験が限られますが、子どもの都合等に合わせて柔軟に交流ができるという良い点もあります。とされ、この方法をとる場合はこのような交流を行う場合は、交流の方法やその頻度、1回当たりの時間等のほか、必要に応じて、使用する機器の管理をどのように行うかなどについても話し合うことが考えられます。と説明されています。

頻度や受け渡しの方法など、取り決めの項目そのものは面会交流の頻度・ルールの決め方で整理しています。この記事は、そこで決めた予定を実際に動かすときの配慮にしぼって扱います。

決めた面会の予定と実施の記録を、連絡先を交換せずにアプリの中だけで残せます。

会う前・当日・帰ってきたあとに、気をつけることは?

資料には「子どものペースに合わせる」「父母の争いを見せない」という2つの見出しのもとに、場面ごとの心がけが書かれています。日程の決め方から、送り出し方、帰ってきたあとの聞き方まで具体的です。

場面裁判所の資料に書かれている心がけ
日程を決めるとき 親子交流の日にちや時間、場所などは父母の都合だけで決めるのではなく、子どもの予定を大切にしましょう。時には柔軟に対応することも大切です。
会う前
(同居している親)
また、子どもと一緒に暮らしている親から、最近の子どもの状況を前もって伝えるなどしておくと、よりうまくいくでしょう。
送り出すとき・
受け渡しのとき
子どもが離れて暮らしている親と交流するときには、笑顔で送り出し、笑顔で迎えましょう。また、子どもの受け渡しの際には、父母同士で挨拶をするなど、円滑に親子交流が行えるよう、父母同士が協力する姿勢も大切です。
交流している間 子どもが関心を持っている事や、学校の行事、最近の嬉しい出来事など、子どもが生き生きと話せる話題を作りましょう。
帰ってきたあと 子どもが親子交流中のことを話したときは、笑顔で聞き、前向きな言葉を返してあげましょう。

出典:裁判所「子どもにとって望ましい話し合いとなるために(概要)」親子交流編

「会う前に、最近の子どもの様子を伝えておく」は、地味ですが効きやすいところです。いま何に夢中で、学校で何があったのかがわかっているだけで、当日の入り方が変わります。予定と近況をどこに書き留めるかは、面会交流の予定表テンプレート(A4 1枚)に項目をまとめてあります。

子どもが「会いたくない」と言ったときは?

裁判所の資料は、まず理由をきちんと聞くことを挙げています。そのうえで、一緒に暮らしている親に気をつかっている可能性にも触れています。

子どもが会いたくないと言うときの理由は様々ですが、一緒に暮らしている親は、きちんと理由を聞いてあげることが大切です。
子どもが一緒に暮らしている親に気をつかっていることもあるかもしれません。離れて暮らす親との交流を肯定的に捉えていることを示してあげるなどして、離れて暮らす親との交流を子どもが楽しいと感じられるようにしましょう。 出典:裁判所「子どもにとって望ましい話し合いとなるために(概要)」親子交流編

「行きたくない」という一言の中身は、資料が言うとおりさまざまです。断定できるものではないので、この記事でも決めつけません。資料が示しているのは、理由を聞くことと、同居している親が交流を肯定的に受け止めていると子どもに伝わるようにすること、の2つです。

直接会うのが難しいときには、前の見出しでふれたビデオ通話・電話・SNS・手紙といった方法も資料に挙げられています。会う回数や形を見直す話し合いになったときの進め方は、面会交流の頻度・ルールの決め方を参考にしてください。

会えたときに、やらないほうがいいことは?

資料が名指しで挙げているのは、打ち合わせのない大きな約束・高価な贈り物と、子どもへの伝言です。どちらも、良かれと思ってやってしまいやすいことです。

離れて暮らしている親が、一緒に暮らしている親に相談することなく、子どもの生活やスケジュールに大きな影響を及ぼすような重要な約束をしたり、高価な贈り物をしたりすると、子どもを混乱させたり、子どもに後ろめたい思いをさせたりする場合があります。また、父母の新たな争いの原因になることもあります。 出典:裁判所「子どもにとって望ましい話し合いとなるために(概要)」親子交流編

対応も具体的に書かれています。あらかじめ父母で打ち合わせていないことがらについては、子どもに「お父さんとお母さんで相談してから連絡するよ。」と伝えるなどして、大切な事は父母の話合いで決め、子どもに負担を感じさせないようにしましょう。とされています。

もうひとつが伝言です。養育費や婚姻費用の支払い、荷物の引き渡しなど、父母が直接話し合わなければならないことを子どもに頼まないよう説明されています。子どもに伝言を頼むと、子どもを父母の問題に巻き込んでしまい、父母の板挟みにしてしまいます。とされています。

大人同士のやり取りを、子どもを通さずに済ませるには?

ここまでの配慮に共通しているのは、「子どもを父母のやり取りの通り道にしない」ということです。とはいえ、日程の調整も、変更の連絡も、養育費の確認も、誰かがやらなければ回りません。

相手と直接やり取りすること自体が負担になっている場合は、連絡の方法をどうするかを先に決めておくと続けやすくなります。連絡そのものが難しいときの進め方は、連絡を取りたくない相手との共同養育の進め方にまとめています。共同養育の全体像は共同養育とは?基本と始め方をご覧ください。

共同養育アプリ「はぐみぃ」は、こうした面会の日程調整と養育費の記録を、電話番号やLINEなどの連絡先を交換せずにアプリの中だけで共有できるように作られています。「この日でどうですか」と提案すると相手の画面に届き、そのまま承認するか、内容を変えて提案し返せます。

子どもの気持ちを読み取ってくれるアプリではありません。大人同士のやり取りを大人同士で閉じておくための便利ツールです。それでも、子どもが伝言役にならずに済む、という一点は変わります。

※この記事は、裁判所の公開資料をもとにした一般的な解説です。子どもの心や体の状態についての判断・診断を目的とするものではなく、専門家の相談に代わるものでもありません。個別の事情に応じた判断は、家庭裁判所や自治体の相談窓口、弁護士などの専門の窓口にご相談ください。安全に不安があるときは、予定を決める前に配偶者暴力相談支援センター(内閣府男女共同参画局)などの公的な窓口にご相談ください。

よくある質問

子どもの気持ちに配慮した面会交流は、何から始めればよいですか?

裁判所の資料では、子どもへの接し方より先に「自分自身の心の状態を知る」ことが挙げられています。「別居や離婚は、一般的に、人生の中で最もストレスの高い出来事の一つと言われています。」とされ、「まずは、ちょっと立ち止まって、自分自身の心の状態に目を向けて見ましょう。」「自分の心の状態がわかれば、少し気持ちが落ち着き、子どものことを冷静に考えられるようになるでしょう。」と説明されています(出典:裁判所「子どもにとって望ましい話し合いとなるために(概要)」)。

子どもが「会いたくない」と言ったときは、どうすればよいですか?

裁判所の資料では「子どもが会いたくないと言うときの理由は様々ですが、一緒に暮らしている親は、きちんと理由を聞いてあげることが大切です。」と説明されています。あわせて「子どもが一緒に暮らしている親に気をつかっていることもあるかもしれません。」として、「離れて暮らす親との交流を肯定的に捉えていることを示してあげるなどして、離れて暮らす親との交流を子どもが楽しいと感じられるようにしましょう。」とされています(出典:裁判所「子どもにとって望ましい話し合いとなるために(概要)」)。

面会交流の方法や頻度は、何を基準に決めればよいですか?

裁判所の資料は、話し合うときに大切なポイントを4つ挙げています。「親子交流は、子どもの心身や生活の安全が守られるものでなければいけません。」こと、「子どもの年齢や成長段階、健康状態、学校、課外活動、習い事などのスケジュールを十分に考えて、適切な方法や頻度を決めましょう。」ということ、「子どもの気持ちや願いを知り、子どもの視点に立って、より望ましい親子交流の方法を考えていきましょう。」ということ、そして「子どもを父母の争いに巻き込まず、円滑に親子交流を行うためには、父母がお互いに配慮し、協力する姿勢も必要です。」ということです(出典:裁判所「子どもにとって望ましい話し合いとなるために(概要)」)。

久しぶりに会うとき、高価なプレゼントを渡してもよいですか?

裁判所の資料では「離れて暮らしている親が、一緒に暮らしている親に相談することなく、子どもの生活やスケジュールに大きな影響を及ぼすような重要な約束をしたり、高価な贈り物をしたりすると、子どもを混乱させたり、子どもに後ろめたい思いをさせたりする場合があります。」「また、父母の新たな争いの原因になることもあります。」と説明されています。対応として「あらかじめ父母で打ち合わせていないことがらについては、子どもに「お父さんとお母さんで相談してから連絡するよ。」と伝えるなどして、大切な事は父母の話合いで決め、子どもに負担を感じさせないようにしましょう。」とされています(出典:裁判所「子どもにとって望ましい話し合いとなるために(概要)」)。

子どもに「あとで伝えておいて」と頼むのは、避けたほうがよいですか?

裁判所の資料では、養育費・婚姻費用の支払いや荷物の引き渡しなど、父母が直接話し合わなければならないことについて、子どもに伝言を頼まないよう説明されています。「子どもに伝言を頼むと、子どもを父母の問題に巻き込んでしまい、父母の板挟みにしてしまいます。」とされています(出典:裁判所「子どもにとって望ましい話し合いとなるために(概要)」)。

出典:裁判所「子どもにとって望ましい話し合いとなるために(概要)」(courts.go.jp ビデオ「子どもにとって望ましい話し合いとなるために」からリンクされている概要資料。基本説明編・年代別説明編・親子交流編の3編)。本文の引用はすべて同資料の記載です。制度・手続の詳細および最新情報は、裁判所の家事事件の案内こども家庭庁「民法等の一部を改正する法律について」など、各公式情報および専門の窓口でご確認ください。

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